日本のサービス業活動、4月に回復：PMI調査結果

日本のサービス業活動は、2023年4月に回復し、前月の停滞から脱却したことが、ビジネス調査によって明らかになりました。

新規注文の改善が大きな要因となり、製造業の弱さと対照的な結果となっています。

これにより、サービス業の活動は成長を見せ、製造業の弱さが続いている中で、全体の民間部門の生産量を押し上げました。

サービス業PMIの回復

2023年4月の最終的なau Jibun Bank日本サービス業購買担当者景気指数（PMI）は52.4となり、3月の中立的な50.0から上昇しました。

この数字は、速報値の52.2をも上回り、活動が成長に転じたことを示しています。

PMIが50.0を超えると、活動の拡大を意味し、それ以下の場合は縮小を示唆します。

S&Pグローバル・マーケットインテリジェンスのエコノミクス・アソシエイト・ディレクターであるアンナベル・フィデス氏は、「サービス業の活動の新たな増加が、4月の製造業生産のさらに減少を相殺し、日本の民間部門の全体的な生産量を再び拡大領域に戻した」と述べています。

サービス業の新規受注と製造業の落ち込み

サービス業の新規受注は、昨年5月以来最も速いペースで増加しました。

企業は需要の改善を報告しており、これは製造業とは対照的です。

製造業では、アメリカの関税問題に関する懸念が影響し、新規受注が2月以来最大の減少を記録しました。

一方で、サービス業の活動の回復にもかかわらず、サービス業の事業者の間でのビジネス信頼感は3ヶ月連続で弱まり、2021年1月以来最低のレベルに落ち込んでいます。

このことは、世界経済に対する関税に関する懸念が広く日本企業に共有されていることを示唆しています。

コスト上昇と企業の価格引き上げ

サービス業では、原材料、燃料、労働力の価格上昇が急速に加速し、26ヶ月ぶりの高水準に達しました。

このため、企業は利益率を維持するために出荷価格を引き上げる必要に迫られています。

企業はコストの上昇に対応し、価格を引き上げることで収益を守ろうとしています。

サービス業の雇用状況

サービス業の雇用は、19ヶ月連続で増加し、雇用の増加ペースはわずかに加速して3ヶ月ぶりの高水準に達しました。

企業は、顧客の需要に応じて生産能力を拡大しようとしているため、雇用の増加が続いています。

統計データとサービス業の回復

以下の表は、2023年4月の日本のサービス業に関するPMIデータを示しています。

結論

2023年4月のPMI調査によると、日本のサービス業は回復基調にあり、製造業の弱さを相殺する形で民間部門全体の生産量を押し上げました。

サービス業の新規受注が増加したことは、企業の需要が回復していることを示し、雇用の増加もその兆しとなっています。

しかし、コストの上昇と関税問題が企業の信頼感に影響を与えていることも事実です。

今後、サービス業の回復が続くか、また製造業の弱さが改善されるかが、日本経済全体の成長に大きな影響を与えるでしょう。