日本が「教育と生涯学習の友好グループ」の議長に就任、教育改革と国際的な協力を推進

2025年4月、日本は国連における「教育と生涯学習の友好グループ」の議長国としての役割を担うこととなりました。

このグループは、教育に関する世界的な取り組みを推進し、国際社会における教育の重要性を高めることを目的として、2019年に設立されました。

新たに議長に就任した山崎和之氏（日本の国連常駐代表）は、グループの活動を通じて、21世紀の教育と生涯学習の発展をリードし、特に女性の教育やSTEM教育の強化を目指しています。

日本の教育改革と新たなアプローチ

山崎大使は、就任にあたり、日本の教育改革における取り組みを詳述しました。

日本政府は、教育政策の全体的な方向性を示す「教育振興基本計画」を策定し、次の5年間の教育の方向性を明確にしました。

この計画では、持続可能な社会の実現に向けた問題解決型の人材育成を目指し、教育内容の更新が進められています。

特に注目すべき点は、デジタル技術の導入です。

小学校や中学校では、各生徒にタブレット端末が配布され、デジタル教科書やコンピュータベースのテスト（CBT）システムが導入されています。

これにより、個々の生徒のニーズに合わせた教育環境が提供され、子どもたちの潜在能力が最大限に引き出されることが期待されています。

また、探求型学習やSTEAM（科学、技術、工学、芸術、数学）教育など、学際的な学習が推進されています。

生徒は、問題を自分で発見し、多様な人々と協力して解決する能力を養うことができます。

このような教育は、21世紀に必要な資質やスキルを育成するために重要です。

高等教育の支援と学びの機会の拡充

日本政府は、高等教育の機能強化にも取り組んでおり、特に国公立大学や私立学校の支援を強化しています。

また、学びの機会を広げるため、奨学金プログラムを拡充し、学費の削減に努めています。

これにより、経済的な理由で高等教育を諦めることなく、誰もが質の高い教育を受けられるようにしています。

さらに、外国への留学機会の拡大や大学の国際化が進められています。

これにより、日本の学生が世界中で学ぶ機会を増やし、国際的な視野を広げることができます。

教育と持続可能な開発の関連性

日本は、持続可能な開発目標（SDGs）の達成において、教育が果たす重要な役割を強調しています。

特に、「教育のための持続可能な開発（ESD）」の推進に注力しており、国際的な枠組みである「ESD for 2030」に基づき、UNESCOの支援を通じて、ESDの促進を図っています。

また、UNESCOスクール（ASPnet）を活用し、教育の質を向上させるための国際的なネットワークを活用した活動も行われています。

これにより、世界中の学校で良い実践を共有し、教育の質を向上させることが目指されています。

教育の未来と「教育と生涯学習の友好グループ」の活動

「教育と生涯学習の友好グループ」は、国際的な教育改革に向けた貢献を続けており、特にジェンダー平等の推進、STEM教育の強化、教育の質の向上、そして教育機会が不安定な状況でも確保されることが求められています。

グループの活動は、世界中の教育制度を改善し、持続可能な発展を支えるための重要な役割を果たしています。

日本が掲げるグローバル教育の目標

山崎大使は、グループが掲げる教育に関する目標を強調しました。

特に、教育は人間の安全保障のために不可欠であり、SDGsの達成には欠かせない要素であると述べています。

また、教育は持続可能な平和の基盤を形成し、すべての人々が教育を受ける権利を持つことが基本的人権であることを改めて強調しました。

グループの主な目標は、世界中の教育成果を改善することです。

特に、女性と女児の教育機会の拡充や、STEM教育の強化、質の高い教師不足の解消、紛争や災害時にも教育の継続性を保つことが求められています。

これらの目標に向けて、グループは積極的に活動を続けています。

結論

日本が「教育と生涯学習の友好グループ」の議長として、世界中の教育改革を推進する立場に立ったことは、教育の未来を切り開く重要な一歩です。

日本が掲げる教育政策は、国内外での教育の質を向上させるとともに、持続可能な社会を構築するために必要不可欠な基盤を提供しています。

今後、日本はそのリーダーシップを発揮し、世界中の教育制度をより良い方向へ導くことが期待されています。

日本の教育改革の主要なポイント